セラピーのイメージは湧くと思うのですが、具体的に何?と聞かれるとなかなかわからないものです。ましてやコーチングとの違いと言われると困ってしまいます。
セラピーもコーチングも、関わることによって相手にプラスの影響を与えるという点では共通しています。
とはいえ、例えば自分の悩みや解決したい問題があったとしてセラピーをお願いした方が良いのか、コーチングを活用した方が良いのか迷うこともあると思います。
セラピーとコーチングの違いを正確に把握して、数あるセラピーの種類を網羅することで、それらを高いパフォーマンスを発揮するために活用できるようになりましょう。
- セラピーとコーチングの違いとは何か?
- セラピーの意味と種類について
セラピーとは?コーチングの違いを考える
セラピーもコーチングも相手に関わることで前向きな変化を起こすという点においては共通すると思います。
セラピーはカウンセリングとも混同されがちですが、マイナスの状態をゼロの状態に戻すためのアプローチという点では共通です。
行動として具体的な打ち手を講じるのがセラピーで、コミュニケーションを通して相手の内面からゼロ状態に戻るきっかけを見出すのがカウンセリングといった感じです。
セラピーはアロマセラピーやドッグセラピーなどの手段を使って、積極的にクライアントに働きかけます。カウンセリングは対話を通してクライアント自身の気づきや発見から、マイナスの状態を元に戻すサポートをするといったイメージです。
コーチングの意味と特徴
コーチングはコミュニケーションによってゼロの状態をプラスに持っていく作業です。馬車という意味のCOACHが語源であり、目標の場所へ連れていくというニュアンスがあります。
対話によってゼロからプラスに働きかけるコーチング
たとえば目標達成について、本当に自分が達成したいことを発見したり、行動への道筋が見えないときに邪魔しているものは何かを問いかけたり、パフォーマンスにムラがある時にどうすれば良いのかを探究したりというプロセスを通してクライアント(相談者)本人から解決の糸口をつかんでもらうのです。
コーチングは様々な分野で活用されている
コーチングはビジネスの現場を中心に、スポーツや教育、医療・看護、家庭や親子関係などさまざまな分野で活用されています。
期待される効果としても、チームビルディングや部下育成、コミュニケーション能力の向上や、モチベーションアップ、自主性を高めるなどがあります。
生きとし生けるもの、すべての分野のパフォーマンスを底上げできる可能性を秘めている点で、私はいつもコーチングの凄さを感じています。
セラピーの意味と特徴
セラピーとは、手術などの医療行為や薬を使わずに体の不調や心身の状態を回復させることを指します。そのため、手法は様々でかなり幅広い概念だと言えます。
大きく分けると直接体に働きかけるものと、メンタルに働きかけるものがあります。体に直接働きかけるものを物理療法、メンタルに働きかけるものを心理療法と呼ぶこともあります。
もちろんこの二つは密接に関係しているので厳密に分けることは難しいわけですが、建前として身体面のセラピーと心理面でのセラピーと分けて考えられることが多いです。
そしてセラピーの言葉の意味は幅広く、広い意味でのセラピーと狭い意味でのセラピーは分けて考えた方が良いと思います。
広い意味のセラピーとは?
セラピーをもっと詳しくみていきましょう。英語のスペルは「Therapy」と書き、テラピーと発音されることもあります。
アロマセラピーとかアロマテラピーとかどっち?と思うかもしれませんが、どちらも同じ意味だと考えてください。
語源はギリシア語の「治療」を意味する単語です。英語では手術や薬を使った治療と分けて利用されるため、日本語でも同じように幅広い意味を含むと考えられます。
そういう意味ではリハビリなどで活躍する理学療法や、接骨院や整骨院、鍼灸院での施術といった手技療法も広義でのセラピーと捉えることができるのです。
狭い意味のセラピーとは?
セラピーを施す人のことをセラピストと呼びます。アロマセラピストやアニマルセラピストといった具合です。
広義でセラピーと捉えられる理学療法や接骨院や整骨院では、施術する人を理学療法士や柔道整復師、鍼灸師と呼ぶことが多いです。
それらは国家資格ですので、その名称で呼ぶことが多いのだと思います。
そういう意味では、私たちが普段の生活で触れるセラピーとかセラピストというのは国家資格というよりも民間資格の分野でカバーされるアロマセラピーやアニマルセラピーといったイメージが強いのではないかと思います。
もちろん広義か狭義かが国家資格かどうかで線引きされるわけではないのですが、民間資格でまかなわれるものがセラピーと表現されたりイメージに近いのは確かです。
ドッグセラピーをはじめとしたセラピーの種類を徹底解説
数多くの種類が存在するアロマセラピー。代表的なものをいくつか見ておきましょう。
アニマル・セラピー(ドッグセラピー)
動物介在療法とも言うらしく、動物と触れ合うことでストレスが軽減したり、心身がリラックスすることを期待しています。リハビリなど治療にも利用されます。
犬を中心に、馬やイルカなど幅広い動物がアニマルセラピーでは活躍します。
ドッグセラピーとはアニマルセラピーの一種として、犬を介して利用者の生きる活力を呼び覚ますものです。介護や医療の現場で活用されており、実際に痴呆高齢者に対するドッグセラピーは効果があるとされています。
私たちが「アニマル・セラピーと呼んでいるものは、正確にはアニマル・アシステッド・セラピー(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)といいます。「動物に手伝ってもらう治療」と言う意味です。また、ここで使われているセラピー(Therapy)という言葉は,「治療」あるいは「療法」と言う意味ですが、医療行為としての治療の中で、特に、薬や外科的処置を用いないで人を健康にする働きかけのことを意味しています。
出典:「ロボットセラピーの展開(浜田利満・横山章光・柴田崇徳)」
アロマセラピー
アロマテラピーと言ったりもします。オイルの成分に効果があるだけでなく、香りは脳にダイレクトに影響を与え、身体面や精神面を整えてくれます。
アロマセラピーはエッセンシャルオイルを用いて疾患の治療や症状の緩和をはかる治療法のひとつである.医療だけでなく,看護や介護の場でも広く用いられている.
医学のあゆみ「7.アロマセラピー(今西二郎)」
ロボット・セラピー
技術の発達によって生まれたセラピーもあります。ペット型のロボットが医療・介護の世界へと活躍の場が広がっています。
高齢者や小児科病棟の入院患者がロボット,とくにペット型ロボットと触れ合うことにより,精神的な安らぎを得る,いわゆる癒しの効果をもたらす「ロボット・セラピー」が広まりつつある.
出典:「ロボットセラピーの展開(浜田利満・横山章光・柴田崇徳)」
アートセラピー
日本において「アートセラピー(art therapy)」は絵画療法として理解されることもあり、現在は「アーツセラピー(arts therapy)」と英語表記の場合と同様に、箱庭、音楽、ダンス、演劇など様々な表現活動を通して行う精神治療の総評として2つの差別化をしていると説明している。
出典:人間関係研究「アートセラピーと美術教育についての一考察(伊東留美)」
タッチセラピー
よく風邪をひいた時に母親が背中をさすってくれて辛さがやわらいだ記憶がありますが、同じように皮膚が触れることによって健康増進や健康回復が見込めるということで、これをタッチセラピーとしてまとめています。
近年、Touch(タッチ)を積極的に用いることによって、健康増進、健康回復を図ろうとする動きがあり、米国ではタッチセラピーとして臨床の場で用いられはじめている。
出典:生活工学研究第4巻第2号「タッチセラピー(今井樹、黒澤美枝子)
音楽療法(音楽セラピー)
音楽療法とは医療や、福祉、教育の分野でリハビリや学習支援など幅広く活用されています。能動的な方法として、楽器演奏や音楽づくりなどを通して行うケースと、受動的な方法として音楽を聴くことでリラクセーションや瞑想、精神治療に役立てるケースがあります。
音楽療法とは、音楽の持つ特性を活用するプログラムを通してリハビリテーションを行うことです。健康の維持、心身の障害の機能回復、生活の質の向上、問題行動の改善などを目的に行われます。対象者のニーズを叶えるために音楽療法は行われるので、障害の有無は問わず、子供から高齢者まで全ての年齢・性別の方が対象となります。
出典:健康長寿ネット「音楽療法とは」
まとめ
コーチングには相手の可能性を導き出すという側面があります。
セラピーには何かしらの理由でマイナスにある状態の人をゼロに回復させる側面があります。
マイナスをゼロに戻すだけだとカウンセリングとの違いが明確になりませんが、セラピーには具体的な行動が紐づいていることがわかります。
セラピーの特徴はアロマセラピーは香りによって、アニマルセラピーは動物を介して、というように手段が明確であり、その手段は数多く存在します。
コーチングで期待できる成果と、セラピーで期待できる成果を整理して、自分自身の高いパフォーマンスを発揮するために活用しましょう。
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