コーチングとティーチングの違いと効果的な使い分け方!

コーチングとティーチングの違い

コーチングとティーチング。人の成長に貢献するときの必須スキルです。

これまで小学校、中学校、高校、大学、社会人と教育される立場、育てられる立場で関わってもらいました。年を重ねると、今度は教育する立場、育てる立場に変わります。

  1. 後輩や部下の面倒を見ることになったので成果を出したい。
  2. 人に何かを教えるという分野を
  3. お客様に対して今よりもっと高い付加価値を提供したい。

もし、こんな悩みを持っていたらコーチングとティーチングの違いを改めて整理してみたらいかがでしょうか。

実はこのコーチングとティーチングの違いを理解して、それぞれに適した場面で使い分けることで成果を何倍にもできるのではないかと感じています。

この記事でわかること

・ティーチングとコーチングの違い
・効果的なティーチングとコーチングの使い分け方

目次

コーチングとティーチングの違い

コーチとはCoach(馬車)という英単語が充てられていることからわかる通り、もともとは相手を目的の場所へ送り届けることを意味しています。

相手が望む場所へと進むことを支援することから「人の目標達成をサポートする」という意味でコーチングという言葉が使われるようになりました。

一方でティーチ(Teach)とは「AさんからBさんに教える」というように情報を持っている人から、情報を持っていない人に教えるといった要素が強いです。

それぞれの手法に適したシチュエーションがあるので、メリット・デメリットを考えながら解き明かしていきましょう。

コーチングのメリットとデメリット

コーチングは答えが相手の中にあるというスタンス。これがティーチングと比較したときの、わかりやすいコーチングの特徴です。

クライアントはすでに卓越した成果を出せるポテンシャルを秘めていて、あとはそれをコーチングの技法によって引き出すだけなのです。

もちろんコーチングは万能というわけではないので、メリットとデメリットを整理しておきます。

コーチングのメリット

コーチングのメリット一覧
  • 答えのない課題に対する効果的なアプローチ手法。
  • 主体性やモチベーション高く行動ができる。
  • 問題解決能力の向上が見込める。

コーチングは対話を通して相手の中にある答えを導き出します。答えといっても双方向のやりとりから、本人が思いもよらない結果になることだってもちろんあります。

答えのない世の中の課題に対して、こうした向き合い方は今まで以上に求められるはずですから、変化のスピードが驚異的な速さの昨今ではコーチングの手法は効果的であるといえます。

さらにはティーチングと比べ、コーチングの技法は自分の中から答えが出てきたという体験が大きいです。そのため主体性が発揮されたり、高いモチベーションで行動できるというメリットがあります。

結果的にコーチングを継続することで、自ら考え探求していく経験が問題解決能力を磨いてくれます。

良いことづくめのコーチングですが、もちろんデメリットもありますから整理しておきます。

コーチングのデメリット

コーチングのデメリット一覧
  1. 大人数を対象にすることができない。
  2. 成果が出るまでに時間がかかることが多い。
  3. コーチングを受ける人のやる気や能力によって成果に影響が出る。

コーチングは基本的に1対1で行うことを想定しています。そのため、一度に大人数を対象するものはティーチングの方が適していると考えた方が良いでしょう。

また、答えの無いテーマを扱うことが多いと思いますので、ティーチングで扱うことと比べたら成果がでるまで時間がかかります。

コーチングの特徴は双方向でのコミュニケーションから相手から答えが引き出されることを前提にしています。そのため、相手がコーチを受けて良いというスタンスが大切であり、相手がこちらに対してオープンで前向きな態度であるというのは非常に重要です。

相手側にコーチを受けて良いと思わせるのもコーチの力量の一つと言えばそれまでですが、それでも相手のやる気や能力はコーチングの成果に大きな影響を与えるのは確かです。

ティーチングのメリットとデメリット

ティーチングはコーチングと比べたら影が薄くなりがちだったり、古い手法と思われがちですが場面や相手によって向き不向きがあります。

ティーチングとは、すでに答えがあることが前提で、知っている人から知らない人へ教えるという関係性です。

コーチングが双方向の対話によるアプローチだとすると、ティーチングは一方向のやり取りである点に違いがあります。

ティーチングのメリット

ティーチングのメリット
  1. 複数人を対象に同じ内容をいっぺんに身につけてもらうには効率的。
  2. 具体的な指示によって達成できるタスク関するアプローチとして効果的。

ティーチングは答えというか、届けるべき情報が最初から決まっているため、多くの人に対して教えることができる点がメリットだといえます。

一度に多くの人に伝えられるのは効率的でもありますし、まったく何もわかっていない状態の相手に教えることは効果的です。

また、すでに決まった手法や効果的なやり方がある場合は、コーチングによる引き出すようなアプローチよりも、最適なやり方をティーチングする方が良かったりします。

ティーチングのデメリット

ティーチングのデメリット
  1. 教えられる側の人が環境に慣れすぎると受動的になってしまう。
  2. 教える立場と教えられる立場という上下の関係になりやすい。
  3. 教える人の知識・経験・能力以上のものが身につかない。

ティーチングのデメリットは、教える側・教えられる側の立場ばはっきりと分かれ、教えられる側には受動的な態度が知らず知らずのうちに染み込んでしまいやすいことがあります。

さらには教える立場の人の知識・経験・能力以上のものは、ティーチングでは生み出すことができない点もデメリットだと言えます。

教育を担う先輩や上司以上の成果は、ティーチングだけでは達成しずらいと言えます。

コーチングとティーチングの効果的な使い分けと場面

同じように考えられがちなコーチングとティーチングでも、細かく見ていけば多くの違いがあることがわかります。

そのメリット・デメリットを前提に、コーチングとティーチングの双方で効果がある場面や使い分けることで結果が出やすくなることがありますので、確認しておきましょう。

コーチングが効果を発揮するケース

コーチングはビジネスの世界だけでなく、スポーツや教育、子育ての世界でも注目されています。

ただしコーチングだけが万能なわけでなく、ティーチングについても様々な手法が開発されており場面場面で適した方法を使うのが良いでしょう。

相手の内面に深く考えを巡らして欲しい時のアプローチ

例えばコーチングが適した場面として目標設定が挙げられます。一人一人の目標設定をするときは、全体に向けて画一的に行うわけにはいきません。

ある意味で、1対1のオーダーメイドでコーチングの技術を使うのが効果的だといわれています。

目標についても、より自分の内面について深堀りした上で本当に何を求めているのか、自分が求めているものと、組織が個人に求めている成果の折り合いはどこでつくのかを自発的に発見できる支援はコーチングで実現できます。

相手の問題解決能力も一緒に向上させる

仕事を通して問題解決の能力も一緒に上げたい時は、コーチングの手法を利用すると成長が加速すると思います。

コーチングとは問題に対して、一緒に探求していくプロセスを挟むからです。たとえこちら側に答えがあったとしても、いったんゼロベースで相手への問いかけからスタートします。

相手への質問を中心としたコミュニケーションの中で、問題に対する解決方法を一緒に発見していくのです。

その過程で、こちらが想定した答えよりも良い内容が生まれるかもしれません。同時に、問題解決を一緒に考えるプロセスから問題解決能力を向上できる可能性があるわけです。

ティーチングが効果を発揮するケース

ティーチングをどう使い分けると良いのか、具体的な事例で考えてみましょう。

問題解決の緊急度が高くスピードを持って対応すべき事例

ティーチングは緊急度が高く、スピード感を持って物事を処理するときに力を発揮します。

確かに急いで処理しなくてはいけないタスクに対して、コーチングのようにじっくり時間をかけて問題解決にあたるわけにはいかないですよね。

基礎的な知識やルールを複数向けに教えるとき

例えば新入社員にオリエンテーションとして会社のルールを教える時は座学のようにティーチングが向いています。

他にも学校での勉強なんかも基本的には基礎的な知識を身につけるフェーズのときにはティーチングの要素を強くした関わり方が多いです。

つまり基礎的な知識やルールを複数の人たち向けに教える場合は、ティーチングの手法が適しているといえます。

まとめ

コーチングとティーチングの違いを羅列すると次のような感じになります。

  • コーチングは答えは相手が持っているという考えで、ティーチングはこちら側に答えがあるという考え。
  • コーチングはコーチとクライアントは対等な立場であるのに対して、ティーチングは教える側と教えられる側と上下の関係になりがち。
  • コーチングの結果、相手は能動的になることが多いのに対してティーチングは注意しないと結果として受動的な態度を醸成してしまう。
  • コーチングは多数を相手にするのに向いていないが、ティーチングは多数を相手にするのに向いている。

コーチングとティーチングの違いによって、どちらかが圧倒的に有能であるというわけではありません。

それぞれのメリット・デメリットなど違いを意識して、適したシチュエーションで効果的な手法を用いることが求められます。

>セラピーとは?コーチングとの違いについて
>コーチングとカウンセリングの違いとは?

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この記事を書いた人

産業カウンセラー
人材コンサル会社での営業を経て、転職をし中小企業の教育・コンサルを担う。若手向けの個別コーチングも手がけています。

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